記事更新日

2026/9/19

【2026年最新】太陽光発電所のケーブル盗難が急増する理由と対策|自社発電所の10回以上の被害経験から、盗難対策に成功したプロが解説

太陽光発電所で盗難被害が増えている理由

 全国各地の太陽光発電所で銅線ケーブル盗難が相次いでいます。

 ケーブル盗難被害に遭うとケーブルの再調達や復旧工事の費用がかかるだけでなく、復旧までの数か月間にわたり発電・売電が完全にストップするため、発電所事業に大きなマイナスになります。

ニュースでは「銅価格が上がった」「組織犯罪の増加」などと説明されることが多いですが、私たち武蔵野商事が手掛ける太陽光発電所運営と復旧工事の現場で感じるのはそれだけではありません。

実際に被害を受けた発電所のオーナー様からは「まさか自分の発電所が狙われるとは思わなかった」という言葉を聞くことがほとんど。そこで本記事では、当社運営の太陽光発電所での被害体験や復旧現場を踏まえて、太陽光発電所でのケーブル盗難増加の理由と、現場から見えてくる傾向、防犯対策について解説します。


目次


本記事の解説者

株式会社武蔵野商事 再生可能エネルギー 防犯事業部 部長 海老原悠

自社他社含め多数の太陽光発電所を運用管理する株式会社武蔵野商事で、発電所の運用と防犯対策の責任者を務める。これまでに10回以上のケーブル盗難被害案件を担当し、防犯対策後の再発被害を最小限に留めている。自社開発のケーブル抜け止め機器「トレンジャー」と防犯・復旧ノウハウで、他社発電所の防犯コンサルティングも実施。警備会社出身。


太陽光発電所で盗難被害が増えている4つの要因

太陽光発電所がターゲットにされる最大の理由は、設備に使用されている「大量の銅線」です。犯行グループにとって、発電所は非常に効率よく高価な資材を調達できる場所となってしまっています。

1.銅価格が高騰、史上最高値も更新

電気自動車の普及、AIデータセンターの建設ラッシュ、そして世界的な脱炭素化に伴う再生可能エネルギー設備の需要拡大により、各種ケーブルに使われる銅の価格が高騰しています。ここ5年間ほどでは銅価格は3倍以上になり、2026年8月現在も最高値を更新中です。このような状況から銅は「赤いゴールド」とも呼ばれ、金属窃盗グループにとっても換金性の高い儲かる金属として、盗難のターゲットとなっています。

グラフ:銅価格の推移

2.太陽光発電所は基本的に郊外で無人、侵入が容易

多くの太陽光発電所は、広大な用地を確保するために山間部や郊外、農地跡地などの地域に建設されています。また基本的に無人で運用されており、管理人や警備員は常駐していません。そして、人目に付きづらい夜間は、太陽光が無いために発電されておらず、配線には電流が流れていません。窃盗しようとするケーブルを触っても感電することなく切断することができてしまいます。物理的に防犯性が低い太陽光発電所が多い現状があります。

3.昼間でも発生する盗難

現在では昼間や住宅街の犯行の事例もあります。昼間であってもブレーカーを開放することで感電のリスクなく窃盗をすることが可能です。また、人目につきやすい立地であっても平然と作業をしている風で窃盗を行っている様子は、周りからはメンテナンス業者のように見えてしまい、通報もされません。

4. 銅ケーブルは簡単に換金可能

銅ケーブルなど金属スクラップは、金属買取り業者に売却できます。スクラップ状態の銅ケーブルは、廃品なのか盗品なのか見分けがつきません。廃品に関しては、売り主への本人確認の義務が無かったため、たとえ盗品であっても容易に売却できる状況であったことから、銅ケーブル盗難が多発していました。

しかし、銅ケーブル盗難の被害額が拡大したことから、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(通称:金属盗対策法)が2026年6月1日に施行されました。今後、銅ケーブルなどスクラップ売却時には売り主の本人確認が厳格化され、取引の記録保存や現金買取りの制限なども加わり、一般の金属買取り市場での銅ケーブル売却は困難になります。銅ケーブル窃盗の減少は期待されますが、売却以外の現金化や犯罪ルートでの取引もあるため、引き続きの対策は必要です。

【設備規模別】ケーブル盗難被害に遭いやすい太陽光発電所の特徴

窃盗グループは「侵入のリスク(見つかりやすさ)」と「得られるリターン」のバランスを計算して現場を選定しています。被害に遭いやすい設備規模ごとの傾向は以下の通りです。

1. 低圧(50kW未満)

リスクの特徴:手軽に狙えそうな、手薄な防犯

傾向:使用されているケーブルの絶対量が比較的少なく、収益も小規模なせいか、低圧発電所はセキュリティ対策(フェンスの強度、防犯カメラ、人感センサー等)が手薄な発電所が目立ちます。そのため、窃盗グループにとっては「リスクなく簡単に侵入できる現場」となりやすく、ものの数分で窃盗されてしまうケースもあります。また、一晩のうちに周辺の低圧発電所が連続して複数個所被害に遭う「梯子連鎖盗難」も発生しています。もし付近の発電所があまり防犯されていない場合は、連鎖的に侵入されるケースも考えられるため、低圧・小規模だからといってコストを節約せずに、より厳重な対策をおすすめします。

2. 高圧(50kW以上〜2,000kW未満)

リスクの特徴:ケーブルが多量にあり、盗難ターゲットになりやすい

傾向: 現在、被害が集中しているのが高圧発電所です。高圧発電所には太く長い銅ケーブルが大量に使用されており、一度の侵入で数百万円相当の銅が得られるため、窃盗グループにとって極めて魅力的。それなりの規模であっても発電所は管理人や警備員が常駐しない無人運用が基本であり、セキュリティの隙が生まれやすいため、防犯機器がまんべんなく設置できているか確認しましょう。

3. 特別高圧(2,000kW以上)

リスクの特徴:敷地が広いため人目につかず、埋設されていない配管も多く見られ(当社観測)、銅ケーブルの量も多いため、万が一の被害発生時のダメージは壊滅的

傾向: 特別高圧発電所は敷地が非常に広大で、常駐管理や強固なフェンス、警備会社との高度な連携システムが構築されていることが多く、侵入のハードル自体は高めです。しかし、防犯の死角を突かれて万が一侵入された場合、太くて長いケーブルが多いため高額な被害金額となり、復旧に伴う売電停止期間も数か月に及ぶため、数千万円から億単位に達する壊滅的な打撃となります。

盗難にあった場合の被害をなるべく抑える」方向での盗難対策ができているかの確認をおすすめします。

自社発電所でケーブル盗難対策に成功している私たちが考える、ケーブル盗難被害を防ぐための有効な対策

窃盗グループに「この発電所は犯行に手間がかかる」「捕まるリスクが高い」と思わせる複数の防犯対策が有効です。

1.アルミケーブルへの置換

 銅に比べて市場価値が低い「アルミケーブル」へ切り替え、ケーブル自体の転売価値を低くすることが根本的な盗難防止策になります。また、「アルミケーブル使用中」の警告看板を掲示することも対策のひとつです。

2.高強度フェンス、地中埋設、コンクリートで物理的強化

単純なネットフェンスではなく、切断されにくい高強度フェンスの設置や、ケーブル自体の地中埋設・コンクリート保護処理を行います。

3.AI防犯カメラ・人感センサー照明の導入

侵入者を検知した瞬間に大音量のアラームや投光器で牽制し、即座に警備会社やオーナーへ通知が飛ぶシステムを構築します。

4.抑止メッセージの多言語提示

「防犯カメラ設置」「警備会社巡回中」などの警告看板を日本語だけでなく多言語(英語、中国語、ベトナム語など)で掲示することで、窃盗グループを警戒させ犯行優先度を下げさせたり、犯行下見の手間を増やし、侵入しにくい発電所であるイメージを与えます。

5.ケーブルの物理的な抜け止め対策

もしケーブルが切られたとしても、丸ごと盗ませないように配管内でケーブルを固定します。抑止力のために設置したカメラ・センサー等が突破されてしまう事例が多く発生しているため、「切られても盗まれないようにする」ことで復旧工事の費用や売電損失の期間を圧縮できます。

太陽光発電所は複数の防犯機器と、侵入を前提とした物理対策が必要

太陽光発電所のケーブル盗難被害は、売電事業の継続にも影響する問題です。犯行グループの手口が組織化・広域化・全国化しているいま、「これまで大丈夫だったから」という楽観視は通用しません。地域を問わず、防犯が手薄な発電所がターゲットになっています。

また、侵入防止策が突破された場合は、銅ケーブルが根こそぎ窃盗されてしまいます。侵入されたとしても、ケーブルの抜け止め対策など物理的な対策を施しておけば、被害を最小限に抑えることができます。また、持っていかれるケーブルを最小限にすることで、被害額だけでなく復旧期間も大幅に短縮できるメリットがあります。

自社の発電所の現状をきちんと把握し、設備に応じた適切な防犯ソリューションを早急に導入することが、大切な資産を守る有効な対策です。

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太陽光発電所の盗難対策・復旧工事は、自社発電所で成果のある武蔵野商事にご相談ください

私たち武蔵野商事は、自社の太陽光発電所運用で10回以上の窃盗被害に遭った痛い経験から、ケーブル盗難物理的対策「トレンジャー」を開発し、復旧工事のノウハウも多く持ち合わせています。

自社発電所で有効な対策を、他社オーナー様の発電所にも活用いただけるよう、太陽光発電所のケーブル盗難・復旧工事・メンテナンスのトータルサポートをご提供します。太陽光発電所の防犯のプロフェッショナルとして、そしてみなさまと同業の太陽光発電所オーナーとしても、貴社発電所事業に寄り添ってまいります。

発電所の防犯対策については、私たち武蔵野商事にご相談ください。

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